【シミュレーター体験】JAL整備工場見学会【リンクシェアサロン】

※この記事の画像はブロガー取材という事で、事前に日本航空より掲載の許可を受けております。


JAL国内線ジャンボツアー機が千歳から那覇に向かい始めたであろう2月19日の昼、羽田の新整備場JAL M1ビルでは前代未聞の見学会が静かに行われようとしていました。

世界の企業に選ばれる安心と信頼のアフィリエイトサービス、リンクシェアJALアフィリエイトサイト運営者20名限定の見学会。
主催、株式会社日本航空インターナショナル。プログラムスケジュールは整備場ハンガー内の見学2時間、客室乗務員による仕事解説1時間。これだけでもなかなかの内容なのですが次の項目を見た瞬間、一瞬目を疑いました。
フライトシミュレーター体験1時間。
「通常の見学ではご案内していないフライトシミュレータ体験ができるのは今回のイベントならでは!
」とも。
本当ならば凄い事ですが、信じられません(笑)。半信半疑のまま応募要項を読むと、締め切り迄にジャンボジェットの思い出や熱い思いを記事にしてブログにアップし、選考の参考にされるとの事。この時点で締め切りまで残り3日!急いで【退役直前】JALジャンボの思い出【まとめ】という記事をアップ。祈り続ける事数日、何とか選考基準をクリアしたようで招待状がメールで届きました。


という訳で2月19日の昼、集合場所の新整備場JAL M1ビルへ。入り口で招待状を見せて手続きを行う。やはり20人の中でギリギリ最後の方だったようです(笑)。受付作業後、エレベーターで上階のロビーへ。一際明るいその場所には歴代のコレクションやモデルプレーン、シートが展示されていました。
デカいモデルプレーンは手前からB747、B777、B787。よく見ると真ん中のトリプルはJAL整備士の有志のによって制作されたラジコンでした。ボディは20分の1スケール、エンジンはサンワJ-450ターボだそう。



歴代航空券

歴代航空券

歴代時刻表

歴代時刻表

ファーストクラス記念品の裁縫セット

ファーストクラス記念品の裁縫セット

DC-8用ロランレシーバー

DC-8用ロランレシーバー

CV880高度計

CV880高度計

AIR ALMANAC

AIR ALMANAC


ヤンキース松井秀喜選手サインボール

ヤンキース松井秀喜選手サインボール


B777エンジンファンブレード

B777エンジンファンブレード

JAL FIRST CLASS

JAL FIRST CLASS

JAL SHELL FLAT SEAT

JAL SHELL FLAT SEAT


ここで主催者のJAL、リンクシェア、参加者の顔合わせと本日の説明。なんと驚いたのは今回に限り、通常禁止されているブログ、ホームページ掲載用の写真撮影は、一部撮影禁止場所を除き自由に行って構わないとの事(ただしビデオ撮影、ICレコーダー録音は不可)。近くに居たスタッフさんに「今この画像をツイッターに投げても構わないですか?」と聞いても「どうぞ!」との答え。すばらしい(笑)
とりあえす参加者20名は数人ずつのグループに分かれ、整備さん&CAさん引率で見学開始。まず我々のグループは整備さんによる整備場のブリーフィングが行われました。



運行整備や機体点検整備は
1~2ヶ月毎に実施するA-Checks(1~2日間)
1~2年毎に実施するC-ChecksやK-Checks(1~3週間)
5~6年毎に実施するM-Checks(1ヶ月)
が行われたりだとか
飛行前のT-Checksの点検順路や点検箇所。整備の様子や整備士の資格等の説明に皆、真剣にメモをとる。


機体整備と部品整備

機体整備と部品整備

整備の種類

整備の種類

機種別整備間隔

機種別整備間隔

T-Check順路

T-Check順路

T-Check

T-Check

A-Check

A-Check

C-Check

C-Check

M-Check

M-Check

整備資格

整備資格


続いて救命救命胴衣の装着実技。希望者が実際に装着し展開してみますが実際にやってみると、これがなかなか難しいようです(笑)。緊急時のパニックの中では尚更の事と思います。ここでCAさんが正しい装着方法を解説。見事膨らみました。ちなみに避難時は足元が見えなくなってしまうので、救命胴衣は機内で膨らませないで脱出時に出口で膨らませてほしいとの事です。
そして航空用救難食糧が全員にお土産として配布されブリーフィングが終了。


救命胴衣の装着実技

救命胴衣の装着実技

CAさんによる装着解説

CAさんによる装着解説

航空用救難食糧

航空用救難食糧


いよいよハンガーへ整備さん、CAさん引率のもと向かいます。


ハンガーへ

ハンガーへ

ハンガー

ハンガー

ハンガー

ハンガー


まずはハンガー内の隅にある整備トレーニングルームへ。SAFETY WIREの実習訓練用施設。振動でエンジン等のナットが緩まないように、予め穴のあいているナットに針金を巻いてロックする作業。


SAFETY WIRE見本

SAFETY WIRE見本

実習用

実習用

実習用

実習用


キャビンの窓枠や燃料チューブ、タイヤ等の教材。


CBN WINDOW

CBN WINDOW

FUEL TUBE

FUEL TUBE

TIRE

TIRE


1階の工具室には電気ドリルやグラインダー、そして機体の外装パネルを止めるリベットがありました。リベットはアルミ製だそうです。外にはハンガーお約束の移動用自転車。


工具

工具

リベット

リベット

自転車

自転車


それでは飛行機を見てみましょう。DOCKに入っているのはB737-800(JA322J)明日まで整備の機材です。現在のシップコンディションはジャッキアップ、エレキ(電気)ONで外部電源か繋がっているようです。



ジャッキアップ

ジャッキアップ

ジャッキアップ

ジャッキアップ

外部電源ON

外部電源ON


猫耳新幹線?! いいえ、B737です。先端のレーダーを覆うドームは複合材で出来ているそうです。



電源の入ったコックピットでは整備作業が行われていました。明日ハンガーを出るので外装もピカピカに磨かれていました。勿論客室やギャレーも。


レドームは複合材

レドームは複合材

グラスコクピット

グラスコクピット

L1からR1ドア

L1からR1ドア

ピッカピカ

ピッカピカ

客室清掃完了

客室清掃完了

R1ギャレー

R1ギャレー


ちなみにJEXの文字塗装ですが羽田管理機です。



と、ここでまさかのコクピットへのお誘いが!キャプテン席では整備さんが作業中なのですがコパイ席に座って良いとの事。B3のコクピットは狭いので頭を上部パネルにぶつけないよう注意しながら着席。エレキ、ハイドロ系がアクティブなのでフラップや操縦桿等には操作禁止タグが付いています。




エンジンから主翼下へ。主翼前縁のスラットから主翼内の燃料タンクまわりは2007年08月に那覇空港で起きた中華航空の同型機による燃料漏れ火災を思い浮かべながら観察。


主翼下へ

主翼下へ

エンジンカバー

エンジンカバー

CFM56-7

CFM56-7

スラット

スラット

スラット

スラット

エルロン

エルロン

エルロン

エルロン

ウィングレットへのしなやかなカーブが

ウィングレットへのしなやかなカーブが

たまらん

たまらん


後ろまわりはAPUストロボ。APUへのインテークNACAダクトは結構芸が細かい作りになっています。ストロボ。垂直尾翼まわりにある板は整備さんに「整流板ですか?」と質問した所、逆に空気の流れを乱す板との説明でした。


後部ドア

後部ドア

APU排気

APU排気

APU

APU

ストロボ

ストロボ

流れを乱す板らしい

流れを乱す板らしい

APUインテークNACAダクト

APUインテークNACAダクト


隣には「オリンピック招致特別塗装」の時もあったB767-300(JA8364)がDOCK IN。整備さんによると、この機体は1990年9月20日デリバリー。フライト時間は46381時間、離着陸回数は2947回だそうです。シップコンディションを見ると電気が来ていない状態ですが機内へ案内されましたので入ってみましょう。


電気無し

電気無し



客室内のカーペットは剥がされ、床の複合材(カーボン)が剥き出しの状態。カーペットは両面テープで貼っているので力づくで剥がし、新しいカーペットと交換します。カーペットは数メートルの長さに裁断されており、それぞれの区画にピッタリ合う様になっているので決められた場所にパズルのように敷くのですが、つなぎ目がわからないようにするには何度も引っ張ったりと想像以上の調整が必要となります。ちなみに両面テープは床とカーペットの間に空気が溜まらないように空気を逃がすよう貼る位置が決められており、これを守らず密閉して貼ってしまうと、上空でカーペットが膨らんでしまうという事が起きてしまいます。


JA8364

JA8364

B767-300

B767-300

後方からお邪魔します

後方からお邪魔します


この機材には電気が来ていないので、最寄りのコンセントから延長コードを介して数珠つなぎの蛍光灯を吊るして作業する事となります。シートカバーは剥がされ洗濯行き。シートのウレタンが黒々していますが、こんな感じです。


整備中の客室

整備中の客室

整備中の客室

整備中の客室

天井付近

天井付近


機首へ。コクピット内の機材は外されて整備中でした。窓枠には「窓のシール乾燥中」と注意書き。



このハンガーはB3とB6の2機のみ。続いて隣のハンガーへ通路を渡って移動します。この通路、3年前にフジテレビでやってたドラマ「アテンションプリーズ」で出てたなあ(笑)久々にドラマ観たくなりました。



隣のハンガーにはB767-300(JA8365)



そしてJALのマークが消されたA300-600が2機とエンジン整備中のMD90。




ハンガー端にはタイヤが多数置いてありました。と、ここでハンガー見学は終了。外へ出るとエンジン台座が置かれていました。


タイヤ

タイヤ

CF6-80C2B1F用

CF6-80C2B1F用

JT9D-7R4D用

JT9D-7R4D用


引き続き、向こうに止まっているエアポートリムジンバスに乗りテクニカルセンターへ移動。約5分という短い移動中でしたがCAさんからスカイタイム等のドリンクサービスが行われました(笑)。素晴らしく気が利いてますね。



JALテクニカルセンターに到着。1階ロビーには色々と気になる物が。



まずは上の階の部屋にて、CAさんによる客室乗務員の講義が始まります。
客室乗務員の役割は2つ、保安要員とサービス要因。新人CAはその全てを学ぶため1ヶ月半訓練を行うとの事。



AEDは2001年10月からJAL機内に搭載され、電気ショック処置操作は年に5~10件程実際に行われるそうです。そのため心肺蘇生の処置法も訓練で行われます。ちなみに心臓マッサージのリズムは1分間に100回のリズムが良いらしい。音楽のリズムで言うとBPM100程度という事で海外の航空会社ではビージーズのスティンアライブが有名な曲なので心臓マッサージの訓練の際に定番として使用されているそうです。JALでも、ある曲が定番としてあるそうでJALのCAなら誰でもその曲を聴くと訓練を思い出してしまうのだとか。
リカールームではいくつかあるボトルの注ぎ方や、カクテル等JALのMIXを学ぶそうです。あとCAとしてのメイク(化粧)も学びます。ちなみにメイクは60年前から資生堂が協力しているのだとか。



客室のサービスはモックアップを使って訓練。基本的にYで経験を積んでから→クラスJ→ファーストクラスへとサービス担当がステップアップして行くのだそうです。



続いて実際の訓練風景をビデオで紹介。いくつかの航空ドラマや映画でも出て来る緊急着陸時の「からだを伏せて!からだを伏せて!ヘッダウン!…」そして着陸後の避難。これもアテンションプリーズでやってたのと同じだ。みんな真剣。



さっきから気になっていたのだが、我々のグループに見慣れない方が一人加わって座っている。物静かな彼の名はANNE。北欧出身の20歳だそうです。ずーっと静かに座ってたんですが具合が悪いのかな?
と、ここでいきなりCAさんが「お客様!?お客様!?」とANNEに真剣な顔で語りかける…が返事が無い。



3人のCAさんが冷静にテキパキと動き出す。AEDを使用するようだ。
L1からPAにてALLコール。操縦席にも連絡が行く。ANNEは座席の間の通路に寝かされCAさんはAEDの準備を始める。「1と~2と~3と~…」のかけ声で心臓マッサージによる蘇生を試みるも脈が無い。患者から離れAEDで電気ショックを与え、再び心臓マッサージを試みる。
するとCAさんが真剣な表情で我々に向かって
「お客様!写真など撮っていないでお手伝いをお願いします!!(キリッ」
と言いながら我々に心臓マッサージの体験をやらせた(笑)



実際やってみてわかりました、やってみると難しい(笑)1分1秒を争う蘇生術、やはり日頃訓練を積んでいるCAさん3人の無駄の無い動きや連携は凄かったです。ちなみに国際線で海の上等で緊急着陸出来ない場合は脈が戻るまで5時間続けて蘇生を行う事もあるそうです。それでも脈が戻らない時の蘇生術をやめる判断は、機内に乗り合わせた医者の診断次第なのだとか。それにしても本日グレーのフリースを着てきた私は、同じ服のANNEに親近感が湧いて仕方が無いのであります。
最後はエコの講義。出発が遅れ、上空で3分の遅れを取り戻すためスピードを上げると1便あたり約430kgものCO2が排出されてしまうそうです。定時到着率2年連続世界第1位のJALはエコに努めているという訳です。我々もエコを意識しつつ搭乗の際は余裕をもって早めにゲートに向かいましょう。
という事で3名のCAさんによる講義が終了。色々勉強になりました。




別の階に移動。次はいよいよフルフライトシミュレーター(以下FFS)です。
さよならジャンボ!



我々はB777のFFSに案内されました。



2名のキャプテンに同席していただけるそうです。体験操縦を行うゲストは私含め2名。離陸か着陸を選択できるとの事で先攻の方は離陸、私は着陸を選択しました。離陸は羽田空港RWY34R、着陸は木更津上空からRWY34Rへの設定だそうです。我々ゲストは交代でキャプテン側に座り、コパイ側に本物のキャプテンが座り指導します。もう一人のCAPは後部でシミュレーターの操作及び無線の管制官役を行います。
操縦操作は、その都度説明を受けるので全てぶっつけ本番。まずは離陸選択の方がキャプテン席に座りタキシングがらスタート。私はオブザーバーシートから見学撮影。



RWY34Rから離陸開始。



窓の外に映し出されるプロジェクター映像の景色はなかなかリアル。




旋回して懐かしのRWY16Lアプローチを試みます(笑)。



ミニマム…ゴーアラウンド!
体がシートに押さえつけられます。人生初のゴーアラ体験でした。



交代して今度は私がFFSのキャプテン席へ。普通自動車と航空無線通信士のライセンスしか持ってませんが、本当にトリプル操縦して構わないんでしょうか?!
スタート地点は何故か神奈川の都筑区付近上空。キャプテンの家が近所らしいです(笑)。左手前が鶴見川で奥が多摩川。木更津どこー?
実際に操縦桿を握ってみて、その重さをすぐに感じました。物理的な重さではなく、背中に数百人の乗客を背負って操縦する精神的な重さ。FFSは、そこまで体感させてくれます。



横浜を抜けてビジュアルでRWY34Rへアプローチ…実際は計器上のフライトディレクターが+になるようにADI見ながらの計器飛行でした(笑)。なるべく揺れないよう慎重にアラインしていきます。D滑走路を跨いでC滑走路へ着陸。エンジンリバース、フットブレーキで減速したらステアリングチラーでTAXIWAYへ。これが非常に難しく常に蛇行タキシー。同乗者の方々、すみませんでした(笑)何とかSPOT INして終了。



最後はダブルキャプテンが模範的な操縦を披露。20000FT上空、雲の中を飛行。と、ここで急減圧のアラートが!酸素マスクを装着し、もの凄い早さで計器をチェックしながら緊急降下を行います。



雲を抜け降下完了。緊急着陸のため羽田へ向かいます。



羽田へのアプローチに入った所で、今度は右エンジン火災の警報が!右エンジンをシャットダウンして左エンジン1発のみで着陸。



無事RWY34Rに着陸。実際にこのような訓練が行われるとの事です。常に冷静かつ速やかな判断の訓練が、安全を支え安心を作り上げています。



あっという間のFFS体験でした。映像、音、そして挙動が現実と同じ空間を作り出し、様々な場面を想定した訓練が行われています。FFSが訓練に不可欠だという事が、身をもってわかりました。

なおフライトシムのシーンは後日詳しくお届けする予定です。



という訳で約5時間にわたるハンガー見学、CAさんの講義、フライトシミュレーター体験が終了しました。最後は本日お世話になったキャプテン、CAさん、整備さんと記念撮影で終了。
今回のイベントを企画したJAL、リンクシェアのスタッフの皆様、お疲れさまでした。他に類を見ない壮大な企画を身体をもって体験する事により、JALの安全や環境への取り組み、そして将来への姿勢を感じる事が出来ました。常に温かく接してくださったスタッフの皆様、ありがとうございました。


おみやげ

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※この記事の画像はブロガー取材という事で、事前に日本航空より掲載の許可を受けております。


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